カジュアルゲーム:ERS Game Studiosその12011年12月15日

あいもかわらずカジュアルゲームのお話。
今日はERS Game Studiosのアイテム探しゲームを紹介します。

このERS社、とにかくゲームを出すペースが速いです。月に2、3本の新作リリースも珍しくない。スタッフロールなんか見るといつも同じ名前が並んでるので、そんなに大きな会社には思えないのですが..
ゲームの内容は典型的なアイテム探し+アドベンチャー。アイテム探しの比重は多いですが、マップは広く謎解きも多めで遊びごたえのあるゲームが多いです。
ストーリー展開は暗めのサスペンス調の作品がほとんど。超常現象のからむ猟奇的な話が多いですが、残虐シーンや不快感のあるシーンは少なめです。子供が重要人物として登場することが多い気がします。
背景から細かなオブジェクトまで、手描きにこだわったグラフィックは緻密ながら見やすく、ちょっと暗いストーリー展開とはぴったりマッチします。
インターフェースはどのタイトルもほとんど同じ、目新しさはないものの操作性はよく安定感があります。話も同じようなのが多いですが..まあ、いい意味でのマンネリズムってところですねw

何しろ数が多いので、2回に分けて各タイトルを紹介したいと思います。
かつて機械人形の見せ物でにぎわっていた町。この街の子供達が眠ったまま目を覚まさなくなる怪事件が続出、探偵の主人公は調査に乗り出す。
近代ヨーロッパ(アメリカかも?)風の町並みに、人形や機械が混ざった独特な光景が印象的です。特に頭だけの機械人形の動きと不気味さはなかなかのもの。話のオチも結構秀逸で、個人的には傑作だと思います。

ある城下町で、少女が眠り続ける事件が再び発生。人々は城に住んでいた魔術師の呪いと噂するが..
前作Mystery of Joyvilleと同じ探偵が活躍する、シリーズ第2弾です。前作とは独立した新エピソードですが、前の設定や重要人物が再登場したりするので前作からプレイすることをオススメ。
通常版の他、追加シナリオのあるCollector's Editionが出ています。

不思議な洞窟のある町で、少女が機械人形にさらわれる事件が発生。少女を捜す探偵は、洞窟の先に機械人形だけが遺された無人の町を発見する。
前作と同じ主人公の、シリーズ第3弾です。新エピソードですが、前2作をプレイしてから遊ぶ方がより楽しめます。
これも追加シナリオのあるCollector's Editionが出ています。また、前2作を差し置いて今作だけ日本語版パペットショー:ロスト・タウンも出ています。いきなり今作からプレイしても内容がわかりにくいので、前作もぜひ日本語化してほしいところですが。

E.A.ポーの小説「モルグ街の殺人」を題材にしたゲーム。主人公は探偵オーギュスト・デュパンの相棒として、パリで起きた女性惨殺事件の謎に挑みます。
小説を大胆に、というか原形をとどめないくらいwアレンジした作品。超常現象や非現実的なロケーションはほとんど無く、抑えめなストーリー展開で純粋に謎解きが楽しめます。ERSのゲームの中では謎解きは難しい方かも。デュパンがえらくイケメンに描かれてますw
通常版の他、追加シナリオのあるCollector's Editionが出ています。

ポーの小説「黒猫」を題材にした、シリーズ第2弾。原作を推理ものとして大幅にアレンジしています。主人公は前作と同じく探偵デュパンの相棒です。
ある資産家の婦人が行方不明となる事件が発生。デュパンは資産家の豪邸に秘密があると考え捜査を開始するが..
時々黒猫や婦人の幻影が出たりしますが、ストーリー展開は前作同様、謎解きメインのアドベンチャーです。シリーズとはいえ完全に独立した話なので、前作未プレイでも全く問題ありません。
通常版の他、後日談となる追加シナリオのあるCollector's Editionが出ています。

ポーの小説「早すぎた埋葬」を題材にした、シリーズ第3弾。原作を探偵デュパンの活躍する推理ものとして大幅アレンジ、今回は話のオチまで変えています(まあ原作は推理物じゃないからしょうがないけど)
恋人の突然の死を知った男からの依頼で、デュパンとその相棒の主人公が事件の真相を暴くお話です。
前作同様の謎解きメインのアドベンチャーで、過去の作品を未プレイでも問題なく遊べる独立したエピソードです。
通常版の他、後日談となる追加シナリオのあるCollector's Editionが出ています。

入院しまま音信不通となった恋人を探し、主人公が封鎖された精神病院を探索するお話です。
現代の病院が舞台です。精神病患者の狂気をそのまま再現したような、歪で不可思議な背景が秀逸です。描写は暗い作品の多いERSゲームの中でも一番エグいです。といっても死体や残虐描写はないですし、話の構成としてはむしろハッピーエンドに近いかも。虫、蜘蛛、蛸の嫌いな人はやらない方がいいですw
通常版の他、後日談となる追加シナリオのあるCollector's Editionが出ています。

恋人を追い、謎の実験場にたどり着いた主人公。そこは子供達の悪夢を再現した狂気の世界だった。
前作Green Hills Sanitariumの続編となる、シリーズ第2弾です。前作を知らなくても問題なく遊べますが、前作のエンディング直後の話なので順番にプレイした方がより楽しめます。
今回も狂気の世界を見事に描写してますが、前作のようなエグいシーンはほとんど無くなってしまいちょっと物足りない感じです。虫嫌いな人も今作は安心かもw
通常版の他、後日談となる追加シナリオのあるCollector's Editionが出ています。

誘拐されてしまった母娘を捜し、ベニスの街を探索するゲームです。
舞台はルネッサンス時代(だと思う)の海上都市ベニス。ERS得意の暗さや不気味なシーンが少ない変わりに、謎の怪人が出たり舞台が二転三転するなどアクションスリラーみたいなアップテンポな雰囲気があります(かなり抑えめですが)。
通常版の他、後日談となる追加シナリオのあるCollector's Editionが出ています。日本語版グリム・ファサード:ヴェネツィアに消えた美女もあります。

では、続きはまた今度。