The Talos Principle ― 2014年12月26日
朽ちた遺跡で目を覚ましたロボット。
「エロヒム」と名乗る声は、試練に打ち勝てば永遠の命を授けると語りかけます。
「Portal」を彷彿とさせる、FPS視点のパズルアクション。
ゲームの目的は、迷宮の奥にある「Sigil」と言うブロックを集めること。
迷宮に置かれたジャマー、コネクタ、ブロックなどを駆使し、扉を開き罠をかいくぐってブロックを入手します。
主人公は一切の能力を持たず、限られたアイテムをいかに巧妙に配置するかがポイントになります。
マップは立体交差どころか段差もほとんどない平面、広さもほどほど。
戦闘やハイジャンプなどの派手なアクション要素は無く、試行錯誤を繰り返しながらじっくりと謎解きに挑戦します。
なので操作は簡単ですが、パズルの難易度は結構高め。最初は簡単ですが、ゲーム後半はかなり歯ごたえがあります。
わずかながら、微妙な操作やシビアなタイミングが要求される場所もあります。とはいえ絶対無理ってレベルではないので、何度かやり直せばクリアできるはず。
ワールドマップは、1つのエリアに数カ所のレベルが点在するハブ構造。
隠し部分も含めるとエリアは全部で30以上、レベル数は100を軽く超えます。
各レベルは解法さえ知っていれば数分でクリアできますが、難しいレベルでは謎解きに1時間以上かかることもw
ゲームのもう一つの特徴は、探索要素の多さ。
各エリアにはコンピュータ端末が点在し、メールログや文献で過去の出来事や隠された真実が少しずつ明らかになっていきます。
哲学や宗教にからむ文章が多くてちょっと読みにくいですがw
読まなくても各レベルの謎解きには関係ないですし、メインストーリーは神(エロヒム)の声などでわかるのでゲーム進行に支障はありません。
しかし隠しレベルにアクセスするには端末のメッセージをしっかり読み、時折出てくるチャット(選択式)にも応答しなければなりません。
何より、読んだほうが背景が理解しやすく、よりゲームに没入できるでしょう。
ただ、ここで唯一の問題になるのが翻訳の酷さ。
音声やメール・文献などはちゃんと翻訳されているのですが、チャット部分やゲーム内に点在する隠しメッセージがもろに機械翻訳。
まともな日本語になっていない文章が多数、むしろ英語のほうが意味がわかりやすいぐらい。チャット画面はゲームの根幹にかかる部分なので、このへんの文章は早急に改善して欲しいところです。
※ 自分で修正しようとも考えましたが、現行バージョンでは外部MODに対応していないため文章の変更はできないらしいです。
将来的には外部MODで変更できるようになるらしいので、ちょっと様子見ですね。
また、各エリアは数個の「星」が隠されています。
これはレベルをクリアしてSigilを取るのと同様に、マップ内のアイテムを駆使して入手するわけですが。
かなり見つかりにくいところに隠され、入手するには普通にクリアするより何倍も難しいパズルに挑戦しなければなりません。
エリア内のレベルをまたいでクリアするような大胆なパズルもあり、かなりの歯応え。
..ちなみに私が自力で取れた星は2/3ほど。残りは攻略サイトのお世話になりました。
さらにおまけ要素ですが、大量のイースターエッグ。
全部で数十個、イースターエッグのないエリアの方が少ないぐらい。
同じCroteam開発の「Serious Sam」に因んだものから、ライバル?の「Portal」などのゲームネタ、映画のパロディやジョークなど様々。
内容もえらく凝っていて、専用の隠しエリアまである異様な作り込み。力の入れどころ間違ってんじゃないかってぐらい、いい仕事ですw
ゲームの画質は少し前のFPS程度。「Seriou Sam 3」と同じ描画エンジンを使用。
最新の大作ゲームには負けますが、パズルゲームとしてはなかなかのクオリティ。
背景は砂漠や遺跡などが大半で、Samからの使い回しも多目。
同じような景色が続きバラエティは少ないですが、見応えのある自然な景観に見えるよう工夫されていて飽きることはないと思います。
特に「島」のエリアは一見の価値有り、癒されます。
動作は軽め、6年落ちのうちのPCでもストレス無くプレイできます。
以下、スクリーンショット。
主人公はロボット
行く手を阻むゲート
コロシアムのような廃墟。手前にはワープゲートと端末が。
海岸
砂漠
雪に覆われた城塞
礼拝堂
島は空中に浮かんでいます
各エリアの中枢となる工場群。奥には禁断の塔がそびえています
塔を見上げる
機械的な塔の内部
塔を登り天へ。
プレイヤーを狙うタレット
徘徊する浮遊機雷
ジャマーを使い、機雷を停止
コネクタでビームを誘導
遠くに跳べるファン
ファンとボックスを組み合わせれば、空中にコネクタを固定することも
プレイヤーの動きを録画、ゴーストを作り出すレコーダー
Sigilを集め、封印を解除する
全部で100面以上のパズルと広大な世界に圧倒されるゲーム。
私が初回クリアにかかった時間は30時間以上。
Portalのようなドラマチックな演出はないものの、じっくり腰を据えて楽しめる大作です。
値段は4,000円とフルプライスに近いですが、ボリュームは膨大なので損することはありません。
パズル好きなら外せない傑作だと思います。
以上、「The Talos Principle」でした。
ではまた。
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