The Inner Friend ― 2021年03月05日
精神の世界を探索しながら、子供の頃のトラウマに立ち向かう。
テキストや説明は一切なし、雰囲気重視のアドベンチャーです。
老人の体から生まれる主人公はひび割れた粘土のような体、中身は空洞。様々な恐怖に怯える幼い少年を助けながら、奇妙な世界の出口を探します。
TPS視点で描かれる背景は現実と空想が入り混じった世界。高精細ではありませんが、モノトーンで雰囲気は抜群。動作も比較的軽めです。
ホラーですが流血やグロ描写はなく、心臓に悪いジャンプスケアも少なめ。怪物のデザインは秀逸ですがあまり怖さはないですね。
むしろ物悲しさやシュールレアリスムの絵画のような独特な美しさすら感じます。
各ステージは短く、怪物に追われるアクションやちょっとした謎解きがあります。難度は低め、リトライも容易なので行き詰まることはまずないでしょう。
テキストやストーリー分岐は一切なし、操作もごく簡単。エンディングもプレイヤーの想像力にまかせる感じで、アドベンチャーというより雰囲気第一のウォーキングシミュレータに近いかも。
クリアまでの時間は2時間程度。収集アイテムなどの隠し要素はクリア後でも回収可能な親切設計。
ボリュームは少ないですが雰囲気は抜群、画像に惹かれる人なら損はないと思います。
Hadr ― 2021年03月10日
こんばんは。
空中に舞い上がった布切れを操り、手品のように物を消していくパズルゲーム。
プレイヤーが操作するのは、大きめの白いハンカチ。
風に浮くようにゆっくりと浮遊する布を誘導し、ステージ中に散らばる物体にかぶせることで一つ一つ消していきます。
布の挙動はゆっくりながら慣性もあり、何かにぶつかるとまとわりつくように変形。かなり癖があり誘導するのは大変ですが、独特の挙動は面白く癒やされます。
クォータービューで描かれるステージはモノトーンで、ちょっとした静物画や彫刻のような趣。
ゲームの目的は部屋に散らかる物体の消去。単純に一つ一つ消去するだけでなく、ステージギミックを作動させたり複数の布を使い分けるなどちょっとしたパズル要素もあります。
操作はジョイパッド推奨。使用するボタンは少ないですが、癖のある挙動に慣れるまでやや戸惑います。
稀にオブジェクトに挟まって移動不能になるなどのバグもありますが、リトライは容易なのでさほど問題にはならないでしょう。
ステージ数は10前後、クリアには2時間かかりました。
幕間に意味深な?英文メッセージが出ますが、読まなくても進行に問題はありません。
隠し実績などやりこみ要素もあり、ボリュームは価格相応といったところ。
フワフワした布の挙動と、モノトーンの雰囲気がマッチした癒やし系パズル。
ちょっとした息抜きに楽しめる佳作です。
The Sojourn ― 2021年03月25日
こんばんは。
桜も咲いて春めいてきました。
花粉だらけの毎日、鼻は出るし目が痒くてたまらん。薬なしじゃ外にも出られなし、おまけに猛烈に眠くなる。何やるにもまるで集中できず、ゲームも遅々として進まず。
というわけで、休み休みでやっとクリアしたゲームの紹介です。
スワップ(位置替え)を駆使して空中回廊を踏破するパズルゲーム。
舞台は中空に浮かぶ回廊で繋がれた遺跡。
主人公は闇のエネルギーを得ることでスワップや様々なステージギミックを作動させ、崩壊した回廊を渡っていきます。
闇のエネルギーを得られる場所はごく僅か、またすぐに枯渇してしまいます。限られたエネルギーを手順よく補充し、正確にギミックを作動させることがゲームの要です。
FPS視点で描かれる画面は(定番の)ローポリゴンですがなかなか美しく雰囲気十分。ダイナミックに変わりゆく光と闇のコントラストが秀逸です。
崩れかけた遺跡や幻想的なエフェクトはかなり綺麗ですが、同じような景色が多くロケーション変化はちょっと少なめかも。
ステージ間では石像や短いメッセージである男の波乱の人生が描かれます。
とはいえ会話などのアドベンチャー要素は一切なし、ルートも一本道で淡々と進行。あくまで雰囲気を盛り上げるための演出で、ゲームは純粋なパズルゲームです。
ステージは狭いですが見た目以上に複雑。クリアに数十分かかるような高難度ステージも多く、試行錯誤が心ゆくまで楽しめます。
アクション性や戦闘要素は一切なし、タイミング勝負の場所は多いもののシビアな箇所はほとんどなし。論理的思考とひらめきが重要です。
マップ数は70ほど、クリアには20時間以上かかりました。
(一応収集要素があるので)後からマップ選択ができないのが唯一残念なところ。
手応えのあるパズルを楽しみたい人におすすめしたい、なかなかの傑作です。
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