The Almost Gone ― 2021年02月04日
幼少を過ごした家に囚われた主人公。醒めない夢から逃れ、過去を解き明かすことはできるのか。
ドールハウスのような部屋を探索する、ポイント&クリック形式のアドベンチャー。部屋のあちこちをクリックで調べながら探索し脱出を目指します。
クォータービューで描かれた背景はモノトーンのイラスト調。正方形の部屋は回転可能で、アングルを変えれば家具の裏など隠された場所も調べられます。
ブロック分けされた多数の部屋は複雑に連結、いくつもの部屋にまたがるギミックや謎解きなどもあり探索が楽しいですね。
部屋に散らばる様々な物を調べるたび、主人公が思い出を語ります。短い文章で綴られる思い出を辿り、過去の出来事を少しづつ解き明かしていきます。
最初にまるでホラーのような警告文がありますが、陰惨な場面やジャンプスケアは一切なし。家族内の不幸な出来事を淡々と語るようなストーリーで、劇的な展開もどんでん返しもないままやや唐突にエンディングを迎えます。
日本語訳は完璧、文章も読みやすく色々と想像できます。ただしゲームの肝はストーリーではなく、オーソドックスにまとまった脱出ゲームといった感じですね。
ストーリーは全部で5章、クリアにかかった時間は2時間半。面倒なパズルは少なく、難度はやや簡単といったところ。
細部まで丁寧に作り込まれていますが、ちょっとボリューム不足かな。
不安を煽るような雰囲気やストーリーはあるもののホラーや劇的な展開は一切なし、あくまで探索・謎解きがメインです。
昔ながらの脱出ゲームとか好きなら、セール時を狙って買うのがおすすめな佳作です。
Close to the Sun ― 2021年02月01日
こんばんは。
優秀な科学者を集め航海を続ける、超巨大船ヘリオス号。妹からの招待に応じ、女性記者ローズは異変の発生する船へと乗り込むが..
巨大な船内を探索するホラーアドベンチャー。
無線通信を頼りに複雑な船内を探索し、時に怪物に追われながら謎を解いていきます。
リリースは2019年ですがEpicで一年間の時限独占、あげくに無料配布までされました。Steamで購入解禁となった頃にはすっかり話題性も薄れ最近じゃセールの常連となった不遇のタイトルですw
FPS視点で描かれる船内は、19世紀末の豪華客船にスチームパンクをミックスしたような壮麗な光景。しかし薄暗く死体が散乱した場面も多く、その対比が独特の世界観を際立たせます。
背景はなかなかに綺麗で迫力もありますが画面がやや暗め。景観を楽しむにはガンマを明るめに調整するのがオススメ。
背景に対して人体や怪物の描写は今ひとつ。頑張ってはいますが動きや表現がちょっと迫力にかける感じ。おかげでグロさはあんまし気にならないけどw
ホラーらしく、所々で殺人鬼や怪物に追われるシーンが発生します。
しかし背後から迫る怪物を見る余裕はなく、また主人公は逃げる気ないのかと思うほど動きが遅め。結果として迫力にかけ恐怖感は薄め、作業をやらされてるような感じ。
逃走シーンはごく短く、ルートを間違えなければ余裕で逃げられます。隠れてやり過ごすとかアイテム使用とかの工夫もありません。
初見殺しで何度か死ぬこともありますが、リトライも容易で難度は低め。あんまし怖さもなく、ゲームを盛り上げるためのオマケ演出って感じでしょうか。
船内は複雑な構造ですが枝道は少なくほぼ一本道。必要なアイテムはごく僅か、鍵開けなどのパズル要素も簡単です。
犠牲者の遺したメッセージやメモも少なめ、攻略に必須なテキストはほぼ皆無。思わせぶりなメッセージも雰囲気作りの小道具です。
目的や重要なメッセージは全て無線で指示されるので行き詰まることはまずないでしょう。
日本語字幕は概ね完備ですが、一部テキストが未翻訳だったり表示がおかしな箇所も散見されます。ですが攻略に支障はないレベルなのでストーリーも十分把握できるでしょう。
科学者テスラの設計した奇妙な装置や謎めくフラッシュバックなどのSF的要素、豪華な船内に散乱するグロい光景など雰囲気は抜群。
しかし恐怖演出は今ひとつ、ストーリーも多くの謎を残したまま強引にまとめた感じ。
かなり力の入った作品だと思うのですが、細かな部分で詰めが甘い感じ。色々と惜しい佳作ですね。
クリアにかかった時間は7時間でした。
丁寧に作り込まれているので、セールやバンドルで安価で購入すればまず損はないでしょう。ホラー要素はやや弱目ですが、(グロとか平気なら)雰囲気はなかなか良い佳作です。
Last Summer ― 2021年01月29日
こんばんは。
学校が終わり、一人家へと帰る少女。夕暮れの田舎道には何が待つのか。
幼女が田舎道をひたすら歩き続けるウォーキングシミュレータ。
主人公はじめ登場人物はシルエットで表現。特殊能力とか何かを調べるとかの要素は一切なく、ただ道なりに進んでいくだけです。
背景は昭和の日本風の田舎道。余計なオブジェクトを極力減らした絵画のような風景が郷愁を誘います。
画面は3Dですが、移動は横方向が中心で感覚としては横スクロールに近いです。通路を外れて周囲を探索することはできず、怪しげな場所を調べるとかもできません。
個々のマップは小さいですがループなどもあり複雑な構造。同じような光景が続くかと思えば唐突にロケーションが変化したりと工夫されてます。
ホラーゲームを謳うだけあり怪物に追われるような箇所もありますが、アクションは簡単でほぼオマケ程度。プレイヤーを驚かすジャンプスケアやグロいシーンもほぼ皆無。
見てて不安になるような風景は多いものの、恐怖心よりも孤独感を煽るものが中心。一般的なホラーと違い怖いシーンはほぼありません。
テキストでの状況説明はほぼ無いですが、プレイヤーの想像力を掻き立てる幻想的な光景が多く退屈さは感じません。
クリアまでの時間は1~2時間、ゲーム展開に分岐はなし。エンディングもテキスト無しでプレイヤーの想像力にまかせる感じですが、なかなか印象深いシーンでした。
幻想的な光景が続く雰囲気抜群のゲーム。テキスト中心の国産ホラーとは趣が違う、むしろ海外で受けそうなゲームですね。
小品ですが値段も安価なので、画面の雰囲気に惹かれる人なら買って損はないでしょう。
The Pedestrian ― 2021年01月25日
こんばんは。
クソ寒いですね。部屋が冷えてるからか、PC起動すると謎のエラーが出ることが。
暖まってから再起動してやれば安定しますが..
本当は部屋の暖房を入れるべきなんですが、毛布で我慢してます。狭い部屋なんでPC使ってるといい具合に温まりますしw
さて、本日のゲームレビューはこちら。
落書きから抜け出した、意思を持った棒人間。看板を渡り歩き街へと繰り出します。
ピクトグラムの棒人間を操る、パズル要素の強いアクションゲーム。街や工場の看板に描かれた2Dマップをジャンプアクションで踏破していきます。
複数のマップに別れたステージは、視点を3Dに切り替えることで看板を操作。看板を動かし出入り口をラインで繋げてマップを完成、棒人間を出口まで誘導します。
2Dマップはシンプルですがパズル要素強め、鍵や段差を通過させるにはかなりの試行錯誤が必要。
棒人間のアクションは簡単ですがタイミングがシビアな箇所もあり。死んでもすぐにリカバリするので失敗を恐れずガンガン進みましょう。
看板の置かれた3Dの背景はなかなかリアルでロケーション豊か。
棒人間が2Dマップをクリアすることで扉や障害物が開かれ、テンポよくステージが切り替わります。
最終ステージではギミックを最大限に活かした劇的な展開。終わるのが惜しいくらいの秀逸な謎解きが楽しめます。
グラフィックはそこそこ綺麗で動作も軽快。ジョイパッドでも、キーボード+マウスでも操作性は良好。
物語や台詞は一切なし、操作も全てピクトグラムの画像で説明。
ステージやエンディングの分岐はなし、ゲームオーバーもありません。セーブはマップ単位でいつでも可能。ステージセレクト機能がないのが残念なところ。
全体的にコミカルで明るく、テンポ良くゲームが進行。難度は標準的、ステージ数は多くボリュームは十分。
アクションよりパズルの試行錯誤に時間がかかり、クリアには6時間弱かかりました。
2Dと3D、アクションとパズルを上手く融合させた傑作だと思います。
Oneiros ― 2021年01月22日
こんばんは。
自室に閉じ込められた主人公。夢とも現実ともつかない世界を探索しながら、何が起きたのかを探っていきます。
Oneirosはギリシア神話の夢の神。文字通りフラッシュバックする白昼夢の世界を探索する、FPS視点のアドベンチャー。
夢と言っても不気味な悪夢ではなく、意味不明でシュールな世界が舞台。何かに襲われるとかはありません。
日常的な雑多な部屋が突然サイケな迷路に変わったり、油彩画のようなぼやけた世界に迷い込んだりと目まぐるしく変化するロケーションが魅力です。
ゲームは主人公のモノローグの形で進行。怪しげな箇所を調べアイテムを集め、暗号やパズルを解いていきます。
テキストはフルボイスで英語のみですが、重要な手がかりは図解で示されるので読解力は不要。また(英文ですが)ヒント機能もあるので難度は低め。
英文も簡単だし、ストーリーも画像だけでだいたい理解できると思います。
グラフィックやエフェクトはそこそこの水準ですが、ゲーム進行には無関係な細部へのこだわりが特徴。部屋に散らばるポスターや小物一つ一つを調べられ、主人公が音声付きで解説までしてくれます。
BGMに使われるポップな楽曲もなかなかに良く、サイケな風景と相まってミュージッククリップを見てるような印象。雰囲気は抜群ですね。
クリアには3時間ほど、値段の割にボリュームはあると思います。
謎解きやゲームシステムに斬新さはありませんが、丁寧に作り込まれた佳作。画面の雰囲気が良さげに見えるなら買って損はないでしょう。
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