Everybody's Gone to the Rapture ― 2017年09月23日
こんばんは。
この「ウォーキングシミュレータ」というジャンルは、アドベンチャーの一種。
その名の通りマップ内を歩きながら、小説を読むようにイベントを体験していきます。
シナリオは基本的に一本道、プレイヤーがイベントに介入することは出来ません。
シミュレータを冠するだけに見た目はリアルですが、中身はインタラクティブな小説といったところ。
物語重視のアドベンチャーの場合、国内では文字を読ませるノベルゲームが主流ですが、海外では文字よりもリアルな画像や動きによってストーリーを伝えようとしたのでしょう。
もちろん技術的なハードルは高く、この手のジャンルが確立されたのはごく最近です。ウォーキングシムの元祖とされる同社の「Dear Ester」は元々Half-Life2のMODとして作られた作品ですし。
村にいるのは基本的にプレイヤーのみ。住人はおろか一切の動物すら出てきません。
唯一、朧気な光の流れだけがプレイヤーを導きます。
物語を語るのは電話やラジオから流れるメッセージ、そして時折発生する住人たちの断片的な会話だけ。
じわじわと破滅の瞬間に迫る緊迫感と、些細なことに一喜一憂する安っぽい日常が織り交ざり想像力を掻き立てます。核心にかかる説明やネタバラシなどは一切なく、プレイヤーは断片的な台詞と想像力だけで過去の事件を考察することになります。
この手のウォーキングシムには珍しく、マップはオープンワールドのような自由移動。
プレイヤーは好きな方角へどこまでも歩いていけます。
迷路のような意地悪な隠し方はありませんが、村のマップはかなり乱雑。適当に歩いてると迷ったりします。
メインストーリーは一応章立てになっているものの、イベントは時系列に関係なくプレイヤーが近寄れば勝手に発生します。章が変わっても以前の場所まで歩いて戻ることもできますし、間のイベントを無視して一気に最終章までショートカットも可能。
重要イベントは道なりに光を追えば問題ないですが、サブイベントは該当地点に近づかない限り発生しません。ガイドやレーダーなどもないので、全てのイベントを拾うのは至難の業です。
ゲームの視点・操作はFPSスタイル。
操作はFPSの基本通り、キーボード+マウスでもパッドでも十二分な操作が可能。
移動速度は遅め、ダッシュ移動に入るにもタイムラグがあるなどゲームテンポはゆっくりです。
イベント発生時にちょっとしたミニゲームがありますが、テンポが悪くなるし何よりつまらないwので、設定のアクセシビリティ・簡易イベントチューニングなどを活用してスキップしましょう。
また、PC版ではベータのmap_saveバージョンをダウンロードするとセーブが任意にできるようになるのでお勧めです。
グラフィックはCry Engine採用、最新ゲームほどではないですが動作はそこそこ重め。
画像はかなり綺麗で、農村の雰囲気はほぼ完璧。
細部やエフェクトは最新ゲームには見劣りしますが、ぱっと見はまるで実写のようですし何より絵画のような美しい景観には圧倒されます。
静寂な村の中で電話やラジオのノイズだけが響く荒涼感あふれる効果音、教会音楽のような抑えめかつ荘厳なBGMなどサウンド面も秀逸。
日本語対応も完璧、声優の演技も不自然さを感じません。
以下、スクリーンショットなど。
光の軌跡がプレイヤーを導く。
のどかな農村。
田舎ならではの曲がりくねった道。
電話から流れるメッセージ。
過去の会話が光の粒子で再現される。
花の咲く林。
打ち捨てられた自動車。慌てふためく人々の名残か。
宗教的な言及もしばしば。
教会に出現する光のメッセージ。
脱線した列車。血痕も見える。
病室内で再現される過去。
止まった風車。
会話の中心は些細な人間関係やゴシップ。
雨の村。
テニスコート。
雨に烟る湖。
終末を迎える人々。
過去に近づくにつれ輝きを増す光。
夕暮れ。
終末の光。
牧歌的な村にもガススタンドやトラックが。
地下トンネル。
光の粒子が拡がる。
夜の観測所。
幸福な消失とは?
普通にプレイすればエンディングまで4時間前後。
ですがその間歩きっぱなしなのでスケールが小さい気はしませんね。
破滅の瞬間と日常会話が交錯する過去、のどかで美しい風景と孤独感、所々に散りばめられたSF的なギミックなど、雰囲気が秀逸な作品。
ジャンル的に人を選ぶウォーキングシムですが、雰囲気に惹かれたりSFの考察などが好きな人にはオススメ。
以上、「Everybody's Gone to the Rapture」でした。
ではまた。






























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